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患者指導の際に必要な心構え

患者のことを知り、適切に支援するために

必要な心構えと支援のコツ

患者指導を行う際に必要な心構えを知りましょう。行動変容を促すためにはどうすればいいのでしょうか。

必要な心構えと支援のコツ

大前提として必要な心構え

患者指導を行う際、生活習慣の改善を提案する機会が多くなります。しかし、生活習慣の改善が必要だと分かっていても、具体的な行動に移せない患者もいます。生活習慣病などは継続的な治療が必要になるため、患者は日常的に療養の場に身を置くことになります。そういった中で、該当の患者が再発や再入院をした時には無力感を感じてしまうかもしれません。そこで必要なのが、人間の本質的な部分は変わらないという意識を持つことです。
また、強制的に行動を制限したところで思考に変化をもたらすことはできません。むしろ、「やらされた」という感情だけが残って、信頼関係が崩れるリスクが高まるでしょう。

多くの看護師が悩んでいる

患者に対する支援はこれまでも医療分野における大きな課題として多く人が取り組んできました。日本においても、患者の行動変容について促す看護について記された書籍が出版されています。各専門分野における研究報告も上がっており、全ての看護師が患者指導の難しさに頭を悩ませているといっていいでしょう。
とはいえ、患者の行動が変わったのであれば、それは相手の感情や考えに影響する援助ができたことの証明です。どうすれば患者を健康な状態に導くことができるのか、コツを知っておきましょう。

行動変容を促すコツ

生活習慣の改善などは、患者が自ら取り組む必要があります。あくまで患者自身が考えた上で行動を変えていかなければなりません。行動変容のプロセスは、無関心期・関心期・準備期・実行期・維持期の5つのステップで進んでいきます。看護師としては、それぞれのステージに合わせたアプローチが必要になってくるでしょう。例えば、無関心期の患者には情報提供や行動変容をしなかった際のデメリットなどを伝え、関心を持ってもらうようにしなければなりません。
また、医療機関を受診した患者や訪問看護の利用者は、基本的に健康状態の改善を望んでいるはずです。そうは思えない行動を取っているのであれば、何かしらの理由があるでしょう。「血圧を下げる」「禁煙する」といったことがゴールではありません。そういった行動を通じて、最終的に「何をしたいのか」を見極める必要があります。健康になって、どんな自分でいたいのか、患者本人がイメージできるように支援していきましょう。患者にとって、生きる目的と療養・治療は結び付きにくいものです。例えば、「孫と遊びたい」と「塩分制限をする」ということは、関係のない別件事案と思ってしまいがちです。そのため、「塩分制限をしなければ健康状態が悪化して動けなくなり、孫と遊ぶことができなくなる」という道筋を丁寧に説明し、理解してもらわなければなりません。

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