なぜ必要?その目的や役割
なぜ看護師による患者指導が求められるのでしょうか。患者指導の目的や役割、必要性を見ていきましょう。
なぜ患者指導を行うのか
看護師は医療に関する専門的な知識を活かして患者を支援する存在です。適切な患者指導を行うことで、健康な生活を送るためのきっかけが生まれます。患者の生活習慣や健康状態に合わせてアドバイスを行い、健康状態の改善や病気のリスクを引き下げることが、患者指導の主な目的です。また、患者指導を受けた本人が健康に気を配ることで、治療の効果を高められます。看護師が行う患者指導は、医療の現場において不可欠なものといえるでしょう。
そのため、患者指導を行う看護師には専門的な知識や技術だけでなく、コミュニケーションを通じて信頼関係を構築する力も求められます。患者指導は、予防医療の観点からも意義のあるものです。人々が健康を維持することで、医療費の負担軽減にもつながるでしょう。看護師は、患者指導を通じて個人に限らず社会全体の健康増進に貢献する、重要な役割を担います。
カウンセリングの必要性
患者指導の中で患者に対して直接アドバイスを行うことがあります。その際は、患者本人が健康について思っていることや、不安に感じていることを聞き出す必要があります。カウンセリングの技術を学ぶことで、患者は自己開示をしやすくなるでしょう。その結果、より深い信頼関係の構築につながります。適切なカウンセリングを行うためには、自分の意見を押し付けるのではなく、相手の言葉に共感する姿勢を持たなければなりません。こちらから質問をして、相手が話しやすい雰囲気を作ることも大切です。そういったコミュニケーションを通じて患者の感情や想いを理解することができれば、結果的に解決策を見つけ出すまでのスピードも速まるでしょう。また、患者自身が治療に対して積極的な姿勢を持ってもらえるようになります。
全人的アプローチの重要性
患者指導においては、全人的アプローチが求められます。身体的なケアだけでなく、精神的なケアも必要になってくるでしょう。人間は、身体的・精神的・社会的な側面を持つ全人的な存在です。例えば、入院をしている患者は病気などの理由によって身体的な健康を害している状態ですが、それだけでなく大きな不安やストレスも感じています。それが治療へのモチベーションや回復を妨げることにならないよう、適切な患者指導を行わなければなりません。患者が孤立しないように日頃からコミュニケーションを取るなど、社会的なつながりを作ることも必要です。このような、身体的・精神的・社会的な側面をカバーした全人的アプローチが、患者指導には求められます。
